納骨堂とお墓の違いをひとくちに言えば、納骨堂は「遺骨を預け、保管してもらう施設」であり、お墓とは「遺体や遺骨を収蔵する施設」ということになります。お墓を建てるまでの間、一時的に預けておくところと解釈している人もいるかもしれませんが、東京では墓地不足の祈りから納骨堂をお墓の代わりにして永代納骨をする人も少なくありません。
墓理法では墓地以外への遺骨の埋蔵を禁じていますが、納骨堂は土のなかに埋めるわけではないのでなんら問題なく納めることができるのです(ただし都道府県知事により納骨堂としての許可を受けているところでなければいけません)。
また、お墓を建てるときには「永代使用権」を取得しますが、納骨堂にお骨を預けるときは、「遺骨の寄託契約」といい、納骨堂という建物のなかに預かってもらう権利を取得するという違いがあります。しかし上に述べた永代納骨の場合、ロッカー式の納骨堂であればそのスペースの使用権を取得して遺骨を納めるのですから法律的には納骨堂ではなく「お墓」とみなされます。納骨堂にはロッカー式のものをけじめ、上段には仏壇、下段には遺骨を置くスペースがある納骨壇、また納骨堂の建物のなかに墓石を置くものなど、いろいろなタイプのものがあります。もはや遺骨が土に返ることはかないませんが、こうしたものすべてがお墓の代わりになっているというわけです。
墓地の一坪は3尺四方(90センチ×90センチ)で畳半畳分の広さです。不動産で一坪は6尺四方(180センチ×180センチ)です。
土地不足と価格上昇が関係しているようです。
永代使用料はお墓を建てるときに、土地を永代にわたって使用する権利料として支払い管理料は墓地にある施設の維持・管理のための経費として支払うものです。
お互いによく話し合って同じ墓に入るかあるいは別々のお墓を造るかを決めることです。
宗派を問わないところは増えています。しかし、結構制限が多いので注意が必要です。
■死亡届
人が死亡し、火葬され、お墓に納骨されるという一般的な例で、手続を説明します。
人が死亡したときは、同居の親族などの届出義務者が、市町村長(東京都や政令指定都市の区の場合は区長。以下同じ)に対し、死亡診断書あるいは死体検案書を添付して死亡届を行います(戸籍法八六条・八七条)。
この届出は死亡地のほか、死亡者本人の本籍他、届出人の所在地に行うことができます(戸籍法二五条・八八条)。
死亡地がどこかわからないときは最初の発見地、汽車等の交通機関の中で死亡した場合は死体を降ろした地、航海日誌を備えない船舶の中での死亡の場合には最初の入港地に届出を行うことができます(戸籍法八八条二項)。
■火葬許可証
火葬を行うには市町村長の許可が必要ですので(墓理法五条一項)、市町村長に火葬許可証下附申請をして火葬許可証をもらいます。市町村役場に埋火葬許可証下附申請書(埋葬許可証下附申請の用紙と兼ねるものです)がありますので、これを死亡届に添えて提出します。もっとも、ここに届け出る事項は、先の死亡届と同しですので、死亡届を火葬許可申請として扱う市町村もあります。
火葬の許可を申請することのできる人は「火葬を行なおうとする者」です(墓理法五条)。墓理法は、公衆衛生を確保する観点から火葬には市町村長の許可が必要としましたが、申請者について特段の限定をつけていません。しかし、火葬は遺体を処分することですから、祭祀承継者(民法八九七条)との関係では、その意思に反した許可申請はできないと解されます。
民法は、系譜・祭具・墳墓という祭祀財産は、「祖先の祭祀を主宰すべき者」が承継するとし、祖先の祭祀を主宰すべき者は、まず、被相続人(亡くなった人)が指定した者がなり、これがないときは慣習に従い、これによっても定まらないときは家庭裁判所によって指定された者がなるとしています(八九七条一項・二項)。
■火葬
火葬許可証を火葬場に交付して火葬してもらいます。火葬場以外での火葬はできません(墓理法四条二項)。
火葬場では、火葬許可証がない場合には火葬してけならないことになっています(墓理法一四条三項)。
■埋蔵
火葬が終わると、火葬場より火葬許可証の返還を受け、これを霊園や寺などの草地の管理者に交付して遺骨を納骨してもらいます。
■土葬・死胎
遺体を土中に葬る場合(土葬。墓理法上はこの場合を埋葬といいます)は、埋葬許可証を得て埋葬します。死んで生まれた妊娠四か月を超える胎児(死胎)の場合も人の場合と同様な手続が必要です(墓理法二条一項)。
四か月以下の場合は、人とみなされませんので、法律上の制限はありません。
■新しいお墓の開眼法要
開眼法要は、新しいお墓に仏様を招来するための、おめでたい儀式です。この儀式によって、初めてお墓は礼拝の対象となります。
■開眼法要の依頼
寺院境内墓地の場合は、寺院がいろいろと指導してくれます。法要に必要な法具なども、寺院が用意します。公園墓地の場合は、自分で僧侶に依頼します。民営の公園墓地の場合は、霊園の管理者に僧侶の手配を頼める場合もあります。
この場合、法具は石材業者や霊園の管理者が手配をしてくれることもあります。また、家の仏壇の法具を使うこともできます。
■開眼法要の式次第
寺院境内墓地も、公園墓地も、基本的には同じです。
1.参列者を決める
家族をはじめ、主だった親戚の人たちに出席してもらいます。特に親しい友人に来てもらってもいいでしょう。
2.お墓を清掃する
お墓の周囲の雑草やごみを掃除します。墓石も清めます。
3.墓前に供え物をする
花立てや燭台は、お墓に備え付けのものではなく、別に用意します。近年は備え付けのものを使うことも多くなっています。
果物や菓子などを供えます。これらは小机などを墓前に設けて、その上に飾ります。供え物は、地域によっては決まっていることもあります。また、向こう三軒両隣のお墓にも、挨拶の意味で、お供えをする地域もあります。
これらのことは、石材業者に聞いてもいいでしょう。
4.墓前での法要
僧侶に来ていただき、開眼の法要をしてもらいます。
5.会食をする
式のあと、全員で会食をします。僧侶がいちばん大事なお客様で、上座に座っていただきます。上座は部屋の構造によって位置が異なるので、注意しましょう。会場は、寺院や墓地の施設を借りたり、近くの料理屋などを手配します。寺院や墓地の施設などでは、仕出しを頼む必要のある場合もあります。
会食を省く場合には、折詰め弁当などを用意します。
■開眼法要の費用
次のような費用が必要です。
1.寺院や僧侶へのお布施
お布施はお礼と感謝の気持ちですから、金額に決まりはないのですが、迷ったときは、石材業者や地域の人に聞くと大体の傾向がわかることもあります。ざっくばらんに、寺院や僧侶に相談してみてもよいでしょう。
2.法具の使用代
3.花代
4.供物代
5.会食費

僧侶が会食に出席できない場合は、費用に見合った「御膳料」を包みます。
金包みは白い封筒に入れるか奉書で包み、上書きは「御布施」とします。僧侶に足を運んでもらった場合は、別に「御車料」を包みます。地域にもよりますが、1万円ぐらいが多いようです。「御布施」に含めても、一向にさしつかえありません。
■仏教の納骨法要
仏教では、納骨時に納骨法要を行います。
新しくお墓を建てる場合には、ふつうは納骨に合わせてお墓を建てることが多く、納骨法要は開眼法要を兼ねた形で行われます。
既に先祖を祀っているお墓や生前に建てたお墓に納骨する場合には、納骨法要のみを行います。
生前にお墓を建てて開眼法要をしていない場合は、納骨時に開眼
法要を兼ねて納骨法要を行います。
■開眼法要を兼ねる場合
開眼法要を兼ねて納骨法要を営む場合は、開眼法要に納骨法要の部分が加わります。
1.参列者を決める
家族や親戚のほか、故人と親しかった人たちにも出席してもらいます。
2.お墓を清掃する
お墓の周囲の雑草やごみを掃除します。墓石も清めます。
3.墓前に供え物をする
基本的には開眼法要と変わりませんが、供え物には故人の好物も加えます。
4.本堂で読経と焼香を行う
参列者全員が本堂に集まります。仏前には遺骨が安置され、読経が行われます。
僧侶の指示で、故人との血縁の濃い順、縁の深い順に、全員が焼香をします。
5.墓前での法要
墓前で、お墓の開眼法要と納骨法要を行います。
6.納骨
石材業者が納骨室の入り口の石を取り外し、納骨します。
7.読経と焼香
僧侶の読経の間に、参列者全員が再び焼香をします。
8.会食をする
開眼法要の場合と同じです。
生前に建てたお墓での納骨法要では、墓石に刻んである戒名などから、事前に朱色を取り除いておきます。
刻字に濃紺などの色を入れる場合には、事前に入れておきます。
三回忌くらいまでの納骨では、遺族はまだ喪服の場合も少なくありません。平服の場合は黒っぽい地味なものにします。
■神道の埋葬祭
お墓の周囲に青竹を使った忌み竹を立て、注連縄を張りめぐらします。お墓の前に銘旗(故人の姓名・官位などを記した旗)を立て、榊や花を供えます。銘旗の前には小机で祭壇を作ります。
神職が穢れを祓い清め、餞(食べ物)を供え、祭詞を奉上したあと、血縁の濃い順に玉串を奉奠します。
神職には「御祭祀料」を包みます。
■キリスト教の納骨式
カトリックでは神父が、プロテスタントでは牧師が立ち会い、祈梼のあと、遺族・近親者が聖歌(讃美歌)を歌います。
献香や献花が行われることもあります。
神父(牧師)には「御礼」を包みます。
■塔婆供養
年忌法要やお彼岸などの法要では、塔婆(卒塔婆)を立てます。塔婆を立てることは先祖の供養になり、立てる人の功徳にもなります。ただし、浄土真宗では塔婆を立てることはしません。
塔婆は下の図のように、釈尊の舎利(遺骨)を納めた仏舎利塔(ストゥーパ)に起源があり、五輪塔を経て板塔婆が出来ました。したがって板塔婆は五輪塔の意味を一枚の板に表したもので、その上部は五輪塔と同じに形どられています。
舎利瓶
有頸五輪塔
五輪塔
板塔婆
塔婆一基を立てることは、一仏の造立と同じ意味になります。
塔婆の上部は、表には五大を表す梵字を、裏には精神を表す、バンという梵字を書きます。
■塔婆法要の仕方
前もって寺院にお願いをしておきます。塔婆の表には、戒名と、「○回忌追善」など、法要の目的が書かれ、裏には施主の氏名と建立年月日が書かれています。
法要の当日、本堂から塔婆をいただき、お墓の塔婆立てにまっすぐに立てます。施主以外の人も、塔婆法要をしてかまいません。
塔婆は故人一人につき一本でも十分なので、本数にこだわる必要はありませんが、複数本上げることも少なくありません。
塔婆法要をしたい人は、施主に前もってその旨伝えておきます。
その場合、奉書紙に包むか白い封筒に入れ、「御塔婆料」と表書きをして、施主に渡します。
塔婆料は、寺院によって1本いくらとはっきり決まっていることがほとんどです。東京の都心部の寺院では、六尺塔婆1本3千〜5壱千円といったところです。
納骨のとき骨壷に入れて納めないといけないという法の規定はありません。
関東では骨壷に入れたまま納骨棺に納めることが多いようです。
しかし、関西では、下が土になっておりそのままお骨を納めるか、お骨経袋と呼ばれるさらし布の袋に入れて納める場合が多いようです。