お墓が遠くにあるので近くに新しくお墓を建て、お骨を移すことを「改葬」ということはすでに述べました。しかし田舎にもお墓の面倒をみる人がおり、古いお墓もそのままにしておきたいという場合があります。そんなときにはお骨の一部だけを新しいお墓に移すという方法が取られます。これが「分骨」です。
お墓を全部移してしまうわけではないので、分骨をするときに必要な手続きは、古いお墓がある寺院や霊園の「分骨証明書」を取るだけでよく、これを新しい墓地の管理者に提出すればすぐに納骨することができます。
ただし、分骨が問題になることもあります。たとえばお骨の所有権しがない人が分骨しようとするときです。お骨の所有権については、法律ではっきりと定められているわけではありません。けれども、最近の判決例では配偶者の遺骨については「祭祀を主宰する生存配偶者」に所有権があるとしています。夫の遺骨を新しい墓に移そうとして、妻がお墓の所有者である夫の肉親にお骨を請求した場合、肉親といえどもそれを拒否できないのです。もっとも、実際には権限があるといっても争いが生じることがあるので、分骨に際しては当事者間でできるだけ話し合って決めるべきでしょう。
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