■先祖や故人との対話
お墓は建てることに意味があるのではなく、お参りすることに意味があります。
お墓は、先祖や故人のための浄土で、浄土として維持し続けるためには、お参りを続けることが欠かせません。
そして、墓前で先祖や故人と対話をすることで、先祖や故人を思うとともに、自分の心を見つめることもできます。
菩提寺がある場合は、お墓参りの前に、菩提寺にもお参りをします。寺院の境内墓地なら、まず本堂の御本尊にお参りをします。
お墓参りはいつしてもかまいません。しかし、いつでもいいとなると、おろそかになりがちなので、お墓参りの時期が決まっている、ということもあります。
ふつうには、春秋の彼岸、盆、毎年の祥月命日、年回忌を中心に、お墓参りをします。
一般的なお墓参りの日に限らず、さまざまな人生の節目に、先祖のお墓に報告をするというのも、いいものです。
まず初めに、墓地内をきれいに掃除します。墓石も、苔や汚れを洗い落とします。水鉢は清浄な水を供える器なので、丁寧に洗います。
墓石に刻まれた文字などは、歯ブラシなどを使うと、細部まできれいにできます。
花立ての水を換えて花を供え、お線香を供えます。燭台があれば、ろうそくを立て、火をともします。
菓子や果物などのお供えは、半紙を敷いて供えます。
一人ずつ墓石の正面に向かい、自分の宗派の名号を静かに唱えながら、合掌礼拝します。
冥福を祈る気持ちや感謝の気持ち、思っていることなどを、心の内で語りかけます。短いお経を唱えることも、いいことです。ひざまずいて行うのが丁寧ですが、スペースなどによっては、立礼でもかまいません。合掌礼拝をするとき、竿石に柄杓で手桶の水をかけたり、水鉢の水をしきみの葉ですくって、三度かけたりすることもあります。これは、故人の浄化を願うしきたりです。
墓石が複数ある場合は、古い祖先の霊から順に行います。

■宗派別の供養の仕方
お線香の上げ方や名号の唱え方、合掌の仕方などは、宗派によって違いがあります。
一般的には、お墓参りでは束になったお線香を上げることが多いようです。
決まりのない宗派もありますが、次のような上げ方もあります。
・天台宗・真言宗 三本立てる。
・臨済宗・曹洞宗など 一本または 二本立てる。
・浄土真宗 一本を折り横にする。
●名号 名号は仏や菩薩の名前です。名号を唱えることで功徳があるとされ、自分の宗派の御本尊の名号を唱えます。
・天台宗 南無阿弥陀仏
・真言宗 南無大師遍照金剛
・臨済宗・曹洞宗など 南無釈迦牟尼仏
・浄土宗・浄土真宗 南無阿弥陀仏
・日蓮宗 南無妙法蓮華経(お題目)
●数珠 形や扱い方は宗派によって違いますが、どの宗派でも使える「八宗用」と呼ばれる数珠があります。
●合掌の仕方 顔や胸の前で、両方の手のひらと指を合わせます。右が仏様で、左が自分とされています。天台宗や真言宗では、十二種類の合掌の仕方があります。そのなかでも金剛(帰命)合掌といって、両手の指をそれぞれの間に、交互にぴったりと組み合わせる合掌の仕方が多く行われます。

■後始末も大切
お墓の清掃では、隣接する墓地にも心を配りましょう。ごみや水が他の墓地や参道にかかったりすることのないよう、注意が必要です。ごみなどの整理に、大きなビニール袋を用立すると便利です。
お供物は、カラスなどに荒らされないよう、必ず持ち帰ります。
お線香は燃やし切るようにしますが、ろうそくなどは火を消しておいたほうが安全です。
使用した水桶やたわしなどは、きれいに洗って戻します。

■法要の案内
祥月命日や年忌法要などで、親戚や知人に参列をお願いするときは、遅くとも一ヶ月前までには案内状を出します。
命日と限らずに、参列しやすい日曜日や祝日を選ぶことも考えましょう。その場合、命日より早い日を選びます。
案内状には、誰の何の法要か、日時と場所、会食の場所、服装(平服で、など)を忘れずに書きます。場所は、電話番号を明記するとともに、地図を添えると親切です。

■代理墓参も頼める
お墓が遠隔地にあったりして、お墓参りが簡単にはできない場合は、永代供養にしておくことも、一つの方法です。
親族や親しい知人などがお墓の近くにいて、お墓参りをしてくれるようお願いできる場合には、自分の代わりにお墓参りをしてもらうということもできます。
そのお墓に出入りの石材業者が、代行してくれたりすることもあります。お墓の清掃などとともに、代理のお墓参りを専門に引き受ける業者もあります。
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